海外留学のグローバルスタディトップ > アメリカ大学留学奨学金プログラム > 信用評価機関とWESについて
信用評価(Credential Evaluation)とは
アメリカ合衆国は、世界最大の海外留学生受入国として、毎年世界中からアメリカの大学に留学して来る留学生を受け入れています。そして特に近年激増してきたのが、新興国からの留学生です。留学生が増えること自体は結構なことですが、偽造・捏造した卒業証明書や成績証明書を出願書類として提出して合格・入学し、優秀なはずの留学生が入学後に惨憺たる学業成績や生活態度で卒業、あるいは中途退学していくことが大きな問題となってきました。また、留学生の出身国や出身校等によって、学生が受ける教育内容や成績の判定方法は大きく異なります。これまで各大学は独自に各学生の各書類を判定してきたのですが、各大学の各スタッフによって評価基準がばらばらで、優秀な学生であるにも関わらず不合格としてしまったり、逆に本来は到底合格基準を満たさない学生を受け入れてしまうとった弊害が発生していました。
そこで、近年一般的となったのが、信用評価機関(Credential Evaluator)です。
信用評価機関は、海外の卒業証明書や成績証明書を審査し、本物の証明書であることを証明したり、成績証明書の内容をアメリカ流の成績に換算し直してくれる機関です。アメリカ政府が直接信用評価サービスを提供しているわけではないため、各信用評価機関は民間団体となります。信用評価機関での判定結果は、全米の大学やライセンス授与機関、政府機関、一般企業などに広く受け入れられています。
WES(World Education Services)とは
アメリカには多数の信用評価機関がありますが、実績豊富な信用評価機関は数えるほどしかありません。その中でも、北米最大手で圧倒的な実績を誇るのが、WES(World Education Services。ウェス・ウェズなどと呼ばれます)です。WESは、北米で最大規模かつもっとも歴史の長い非営利の信用評価機関であり、毎年10万人以上の学生に対して信用評価サービスを提供しています。1974年に創立されたWESは、世界37カ国出身で40カ国語以上を操る多国籍なスタッフを抱え、これまでに世界中の100万人以上に対して信用評価サービスを提供してきました。WESの信用評価は、2500以上もの大学や企業、ライセンス授与機関、政府機関に認められています。アメリカの大学の全てがWESの信用評価を認めているわけではないので、希望の大学がWESの信用評価を認めているかどうかは事前に確認していただくべきですが、ほとんどのアメリカの大学がWESの信用評価を認めていますので、信用評価が必要な方のほとんどは、WESを利用することになるでしょう。当アメリカ大学留学奨学金プログラムに参加している大学でも、WESの換算結果を必須とする大学も少なくありませんし、日本の大学に在籍した経験のある人は、ほぼ全員がWESを利用することになります。
WES主な利用者
WESを利用することになる人は、主に以下のような方です。
- 出願先大学からWES等信用評価機関に高校・大学の成績換算を要求された人
- アメリカの大学に進学したいが、過去の学業成績が芳しくない人
- 日本の大学などからアメリカの大学に編入する人
- 日本の大学などを卒業後にアメリカの大学院に進学する人
- ライセンス授与機関にライセンス申請をする人
- アメリカの企業で働くことを希望する人
- アメリカへの移民を希望する人
WESのメリット
他にも多くの信用評価機関がある中で、WESによる信用評価には特に以下のメリットがあります。
- もっとも多くの大学に認められている
- 日本流のGPA(評定平均)換算よりもGPAがアップすることが多い
- 信用評価の手続きが最速(WESでは平均7営業日。他の信用評価機関では通常20~30日)
例えば、法政大学の学生が日本流のGPA換算だとGPA1.9だったところ、WESに通した結果GPA3.6に跳ね上がったこともあります。大学によってWESの換算結果をどの程度評価するかは大きく異なりますが、ほとんどの場合、WESのGPAが考慮の対象となりますので、出願した大学への合格可能性が上がったり、受給できる奨学金が増額される可能性があります。すでに完璧な成績をお持ちの方は、WESで成績アップする余地が少ないためメリットは少なくなりますが、成績がそれほど芳しくないような人は、まずWES換算を利用してみるとよいかもしれません。
一方で、WESには以下のデメリットがあります。
- 手続きが多少面倒
- 英語の公式サイトからしか申請できない
- 連絡が遅い、あるいは連絡が来ない
- それなりの費用が発生する(他の信用評価機関と大差はありません)
- GPAはWES換算の方が上がることが大半だが、上がらないこともある
- 全ての大学がWESの換算結果を受け入れているわけではなく、どの程度WESを重視するかも各大学でまちまち
WES申請方法
高校や大学の成績をアメリカ流に換算してもらうためのWESの申請方法を、以下にご案内します。2015年3月5日現在の方法をご紹介しますが、あくまで参考情報ですので、申請される際にはご自分でWES公式サイトをよくご確認の上、ご自分の責任で申請してください。
WES公式サイトを訪問
以下WES公式サイトを開いてください。
以下のようなトップページが表示されます。
コース・費用の確認
学生向けページである「For Students」をクリックします。
http://www.wes.org/students/index.asp?
「Fees」をクリックします。
http://www.wes.org/fees/schedule.asp
希望するコースの費用を確認します。
WES ICAPとWES Basicの2通りがありますが、WES ICAPをおすすめします。WES ICAPのプランですと、学校からWESに送られた成績証明書を、WESの換算後にWESの換算結果表とともに希望の大学に発送してくれます。また、信用評価の記録を永久に保存してくれます。一方、WES Basicでは成績証明書原本を改めてご自分で希望大学に発送しなければいけませんし、しばらくすると換算した記録が処分されてしまいます。
WES ICAPの中でも複数のプランがありますが、大学の成績をWES換算してもらう人はCourse-by-Courseを選択してください。Document-by-Document Evaluationは卒業証明書の証明しかしてくれませんし、CPA Board EvaluationはUS CPA(米国公認会計士)用のプランですので、関係がありません。Course-by-Courseでは、各コース毎の成績をアメリカ流に換算し直してくれますし、アメリカ流のGPA換算結果も記載されます。ただし、高校の成績のみをWES換算してもらう場合は、Course-by-Courseは利用できないためDocument-by-Documentを選択してください。
換算結果のレポートを、複数の大学に発送してもらう場合には、追加する発送先大学毎にDuplicate Report(複製レポート)の費用が発生します。
以上の箇所は後日追加で信用評価をしてもらう場合のものですので、最初に申請する際には無視してください。
WESの換算結果レポートを受け取る際の発送方法によって、費用が異なります。通常の発送方法であるStandard Deliveryでも発送はできますが、紛失のリスクがあるためご自分でWESレポートを受け取る際にはInternational Courier serviceを選択されることをおすすめします。発送先大学への発送に関しても、追跡機能のあるCourier Deliveryプランの中から選ぶことをおすすめします。
書類確認
今度はWESのオンライン申請後に、学校から発送してもらうことになる各書類を確認します。
「Required Documents」をクリックします。
http://www.wes.org/required/
「Select country of education」プルダウンをクリックし、「Japan」を選択します。
大学での成績を換算してもらう場合には「Higher Education」、高校での成績を換算してもらう場合には「Secondary Education」の左側にある「+」をクリックし、必要書類を確認します。
大学と高校どちらの成績換算の場合も同様に、必要な書類としては英文卒業証明書(Graduation Certificate / Diploma)と英文成績証明書(Academic Transcript)があります。また、忘れがちなのが「academic records request form」です。このフォームの上部「A. For Applicants」はWES換算を希望するご自分が書く欄、下部「B. For Authorized Officials」は上部の記入内容を受けて、WESに卒業証明書や成績証明書を送る学校スタッフが記入する欄です。このフォームを、学校スタッフに卒業証明書や成績証明書と一緒に大学に送ってもらう必要がありますので、忘れずに準備してください。
「Where to Send Documents」には、学校スタッフからWESに卒業証明書や成績証明書、academic records request formを送ってもらうWESの宛先が記載されています。卒業証明書と成績証明書は全て学校専用の封筒に、厳封した状態で、academic records request formを同封の上送ってもらう必要があります。卒業証明書と成績証明書はWESレポートを提出する大学の数だけ送ってもらうと安心ですが、WESから電子レポートのみを受け取る大学も少なくないので、基本的には1通あればよいと思います。
紛失を防ぎ、大学への到着日時を追跡できるように、学校スタッフからWESに書類を送付してもらう際には、EMSなど追跡サービス付きの速達便で発送してもらうことを強くおすすめします。学校スタッフがEMSなどのサービスを利用することができない場合には、学校スタッフに許可をもらって、WES申請者ご自身が学校スタッフの名前でWESに書類を送付するなどの工夫をすることをおすすめします。EMSなどを利用する場合には、「By Courier」と記載された右側の速達便用の住所宛に発送してください。なお、大学に1年以上在籍経験のある方は、原則として高校から英文高校卒業証明書や英文高校成績証明書などをWESに送ってもらう必要はありません。逆に、大学に1年未満のみ在籍した経験のある方は、通常高校と大学の両方からWESに必要書類を送ってもらう必要があります。
約款確認
オンライン申請を始める前に、WESの約款(Terms and Conditions)を確認します。
「Apply Now」をクリックします。
http://www.wes.org/application/apply_now.asp
「Terms and Conditions」をクリックします。
以下のポップアップ画面が表示されます。シンプルな内容ですが、一応目を通しておきましょう。
アカウント作成
それでは、オンライン申請を進めていきましょう。
「Click here to apply online」をクリックします。
アカウント作成ページに遷移しますので、必要情報を入力し、「Create an Account」をクリックします。
このページ以降、画面上で入力している情報はサンプルデータですので、ご自身の状況に合わせて情報を入力していってください。
「Create an Account」をクリック後、WESから自動送信メールが届きます。
「Personal Info」では、一般的な個人情報を入力します。
入力後は「NEXT」をクリックします。
「Your Education」では、学歴情報を入力します。
入力後は「NEXT」をクリックします。
これ以降の各ページには「Save and Return Later」のボタンがあり、クリックすると入力した情報を保存しておくことができます。
「Your Evaluation」では、希望するWESのサービス内容と送付先大学を入力します。
「What is the primary purpose for this evaluation?」では「to continue my education」を選択します。
サービスは「WES ICAP」の「Course-by-Course」を選択します。
「ADD ANOTHER RECIPIENT」をクリックし、WESレポートを送付する大学を選択します。
入力後は「NEXT」をクリックします。
「Services & Fees」では、希望するWESレポートの発送方法を選択します。
「Evaluation Report to Be Sent to You」では、「International Courier ($60)」を選択することをおすすめします。
Additional Recipientでは、「Track your order」の中から、希望発送所要時間を選択します。
入力後は「NEXT」をクリックします。
「Payment Info」では、費用の支払い方法を選択します。
「Select payment method」では、「Credit Card」が便利でおすすめです。
入力後は「NEXT」をクリックします。
「Review & Submit」では、申請内容の確認をします。
「Review your application」をクリックすると、別画面が開き、これまでの入力内容を確認することができます。
チェックボタンにチェックを入れ、「Submit Application」をクリックします。
遷移した以下の画面で、WES費用を支払うためのクレジットカード情報を入力します。
「Country」のところで「Japan」をクリックすると、上の「State」入力箇所が消えます。
必要情報を入力後、「Submit Payment」をクリックすると、支払いが完了します。
これでオンライン申請は完了です。
書類送付
オンライン申請後は、「書類確認」の段階で確認していたWESへの送付書類を再確認します。
英文卒業証明書(卒業済みの場合)と英文成績証明書、academic records request formの提出が要求されている場合は、この3つの書類を高校や大学から直接、学校専用の封筒に厳封にて、出願先大学に送ってもらう必要があります。詳しくは「書類確認」の箇所を再確認してください。
待つ⇒届く
学校にお願いして必要書類をWESに発送してもらったら、WESレポートが送られてくるまで待つことになります。学校に書類の発送状況を追跡するトラッキング番号を教えてもらい、発送状況を確認してください。全ての必要書類がWESに届くと、WESの方で基本的に7営業日以内にWESレポートを作成してくれます。提出書類の内容等によっては、7営業日以上の期間を要することもあります。レポートが作成されると、WESはこのレポートを申請者ご自身や送り先の大学に発送してくれます。WESの公式サイトで個人アカウントにログインすると、WES利用の進捗状況を確認することができますので、頻繁に確認するようにしましょう。また、WESから提出書類の不備等に関するEメールが送られてくる可能性がありますので、登録しているEメールアドレスを頻繁に確認し、英語のメールだからといって無視しないようにしましょう。
各情報サイトリンク
以下の2団体は、WESに次ぐ主要な信用評価機関です。
以下はその他の信用評価機関です。
- A2Z Evaluations
- Academic Evaluation Services
- International Evaluation Services of the Center for Applied Research, Evaluation and Education
- e-ValReports
- Educational Perspectives
- Educational Records Evaluation Service, Inc.
- Evaluation Service, Inc.
- Foundation for International Services, Inc.
- Global Credential Evaluators, Inc
- Global Services Associates, Inc.
- International Academic Credential Evaluators, Inc.
- International Consultants of Delaware, Inc.
- Josef Silny & Associates, Inc. International Education Consultants
- SpanTran Evaluation Services
- Transcript Research
アメリカ大学留学奨学金プログラム紹介サイト 目次
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- 莫大な奨学金を得られる理由
- 奨学金留学プログラムに向いている人
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