海外留学のグローバルスタディトップ > アメリカ大学留学奨学金プログラム > 体験談一覧 > アキナスカレッジ
アメリカ大学留学奨学金体験談(ミシガン州)
アキナスカレッジ(Aquinas College)
この選択肢を持った以上、挑戦しなければ心残りになり続けるだろう
- 横山 香乃 さん
- アキナスカレッジ(Aquinas College / ミシガン州)
- 専攻:Major : Accounting / Business Administration Minor : Sustainable Business
- 日本での出身校:東京都立戸山高等学校
- 留学期間:2021年8月~(卒業予定)2023年12月
留学前について
留学前はどんな学生生活を送っていましたか?
コロナにより留学の開始を1年延期したため、アルバイトをしながら日本の大学に通っていました。留学の延期を決定してからは、大学の勉強に加えて茶道のお稽古と家庭教師のアルバイト、そして英検の勉強を始め、何かと充実した日々を過ごしていました。
なぜ日本の大学ではなくアメリカの大学を選んだのですか?
入学時点で専攻を選ぶ必要がなく、幅広く学ぶことができるリベラルアーツ教育に魅力を感じたからです。日本国内の英語で学ぶ大学も検討していましたが、せっかくなら海外の大学に挑戦してみたいと思い、門戸が広いアメリカの大学への進学を決意しました。
なぜ奨学金留学プログラムを利用したのですか?
高校在学中に1年間の留学を経験した時から、次に留学する際は学位を取得するまで留学したい、という思いがありました。ですが、海外の大学は日本の大学と比べて費用が高く、一度は海外大学への進学という道を諦めました。
そんな中でこのプログラムを知り、海外大学への正規留学を考える上で課題であった費用を、大学からの奨学金で比較的抑えることができるため、利用しようと思いました。
なぜ、今の大学を選びましたか?
立地、奨学金、1クラスあたりの平均人数、設備、気候などを考慮し、決めました。
大学の評価サイトなども参考にしました。
留学前に感じていた不安はどのようなことでしたか?
食生活や寮生活に不安を感じていました。実際には、カフェテリア(ブッフェ形式)にはサラダバーが用意されており、メニューも豊富で、想像していたよりもバランスのとれた食生活を送ることができました。2年目からはキッチン付きのアパートメントタイプの寮に入居し、自炊ができるようになったため、食生活の心配も全くなくなりました。
どのように英語学習を進めましたか?また、TOEFLやIELTSのスコアアップに取り組んでいる方にアドバイスがあれば教えてください。
私は高校在学中にTOEFLを受験しました。受験日程を決めてから、参考書を2周する計画を立てました。1周目は全て理解しようとせずに進めましたが、2周することでしっかりと力がついたと思います。SpeakingとWritingに関しては学校のA L Tの先生に添削をお願いしていました。
留学の延期が決まってからは、英検1級の取得をゴールに勉強を始めました。英検1級は語彙が難しく、文章も長いため、留学中の大量のReading課題の良い練習になりました。
留学中について
留学先で一番大変だったことは何ですか?
車社会に慣れず、どこへ行くにも誰かにライドをお願いしなくてはならないことにストレスを感じていました。現在も同様ですが、友達のスケジュールやライフスタイルを把握した上でお願いできるようになったので気持ちは楽になりました。
人間関係における文化の違いにも戸惑うことが多々ありました。これは慣れるしかないので、あまり思い悩まないようにし、時間に解決を委ねました。
留学先で挑戦したこと・がんばったことを教えてください。
アメリカの大学は勉強が大変だと言われていますが、勉強ばかりの学生生活にしたくないという思いがありました。日本の大学で学生生活を送るのと同じぐらい充実させたいと思い、初めは、とにかく様々なイベントやクラブに参加することを心がけました。結果的に、様々な人や物事と出会い、勉強とバランスの取れた充実した生活を送ることができています。
留学をする前と現在では、自分の何が変わりましたか?
寮生活で忙しいスケジュールをこなしていくためには自己管理能力が欠かせないため、自立したと思います。また、日本では多くのことが自分一人でできますが、アメリカでは分からないことの方が初めは多いです。またどこに行くにも車が欠かせないなど、人に助けてもらわなければならない場面ばかりです。周りの人に助けてもらう日々で、次第に以前よりも人を頼れるようになりました。
今振り返ってみて、留学前にしておけばよかったと思うことはありますか?
特に後悔はありません。日本の大学の単位を移行することができたので、しっかり授業を履修しておいてよかったと思いました。また一度日本の大学で学んだことのある内容の授業は自信を持って臨むことができたため、役立ちました。
留学で得たことは、今後の人生・キャリアにどのように生かせると思いますか?
留学を通して得た新たな価値観やコミュニケーション能力、異なるバックグラウンドを持った人と協力する力、そして忍耐力やマネジメント能力は、これからの様々な場面で役に立つのではないかと思います。
留学をしてよかったと思いますか?
もちろんです!正直、渡航前は楽しみより不安や日本を離れる寂しさの方が大きかったのですが、様々な新しい経験をするうちに、来て良かったと思えるようになりました。
大学生活について
大学のサポート体制はどうでしたか?
留学生に対するサポートというよりは、学校自体に様々なサポート体制があります。小規模な大学のため、困ったことがあれば常に誰かがサポートしてくれます。海外での学校生活が初めての人にとってはとてもありがたい環境です。
寮生活で良かったことは何ですか?
キャンパス内の全ての場所が徒歩5分圏内というアクセスの良さです。通学に時間を取られない点が特に気に入っています。空き時間にジムに行ったり、夜遅くまで図書館で勉強したりすることもできます。
また、寮生活を通してできた友達もたくさんいます。多くの生徒がキャンパス内に住んでいるため、友達と待ち合わせをして、その日に会うというようなことが可能です。
寮生活で困ったことはありましたか?
現在住んでいる寮は壁や天井が薄いので、音には気を使います。また、2人部屋の場合はパーソナルスペースがないため、ルームメイトとライフスタイルが合わないと苦労します。私はアメリカ人のルームメイトと体感温度が合わず、少し苦労しました。
休日は何をして過ごしていますか?
休日は仲良しグループで料理をしたり、お出かけをしたりして過ごすことが多いです。
キャンパス内で、課題やアルバイトをすることもあります。
また地元の教会のプログラムを通して知り合ったフレンドシップファミリーとも頻繁に会っています。ファミリーといると、学生の世界にいては知り得ない文化を感じることができるので、とても貴重な時間になっています。
大学で、勉強以外に取り組んでいることがあれば教えてください。
過去2年でも様々なことに取り組んできました。例えば、Multicultural ClubとSustainable Market Clubという2つのクラブで副部長を務めています。Sustainable Market Clubは数人の友達と新たに立ち上げたクラブです。また、寮の受付やチューター、カフェの調理スタッフなど複数のアルバイトも経験しました。
2年目からは、新設された女子ラグビー部に未経験ながら入部し、練習に励んでいます。チームメイトとコーチに恵まれ、ワシントンD.C.で開催される7人制の全国大会に連れて行ってもらったことは一生の思い出です。
その他には、College BandとAthletic Band(楽器のみの応援団)でクラリネットを演奏したこともあります。
どのようにして友人ができましたか?
友達の友達を紹介してもらうというように、徐々に友人の輪が広がっていった感覚があります。
周囲の学生にはどんな人がいましたか?
本当に様々です。色々な人がいますが、寛容で優しい人が多いです。文化や価値観を尊重してくれます。またヨーロッパやカナダからの留学生が多く、どのような場にも必ず複数の留学生がいるような環境です。
アメリカという国や、滞在されている州や都市について感じたことを教えてください。
良くも悪くも自分次第だと感じることが多いです。渡航前、治安やドラッグが心配でしたが、自らそのような場所に行かなければ、危険を感じることはほとんどありません。学校生活も同様で、やる気のある生徒はどんどんチャンスを掴んでいく一方で、学業が疎かになり退学してしまう人もいます。周りの人は皆とても親切で、優しい人が多いという印象を受けました。
夏休みなどの長期休暇期間は何をしましたか?
昨年の夏休みはSustainable Business の授業の一環でコスタリカへ研修に行った後、アメリカの大手監査法人でインターンを行いました。具体的には、2ヶ月間、実際に監査部門のクライアントチームに所属し、四半期レビューのお手伝いをしながら、監査業務や会社への理解を深めました。在学中にアメリカのグローバル企業で働くという経験が出来たことは、より広い世界を知るきっかけとなり、卒業後の進路を考える際にも大いに役立ちました。
大学での勉強について
留学先の大学では何を専攻していますか?それは何故ですか?
AccountingとBusiness Administrationのダブルメジャーです。マイナーにはSustainable Businessを専攻しています。もともと、これからどのビジネスにも共通して求められるだろうと考えたSustainable businessをメジャーにしていましたが、そこで学んだ知識を生かすためのスキルを身につけたいと思うようになり、AccountingとBusinessのダブルメジャーに切り替えました。
今までの授業で一番大変だった内容・科目は何ですか?
最終レポートやプロジェクトは大変なことが多いです。Intermediate Accountingの最終課題は模擬の領収書等を使い、一から財務諸表を完成させるというもので、数週間に渡って取り組みクラスメイトとヒイヒイ言いながら完成させた記憶があります。
お気に入りの授業があれば理由も含めて教えてください。
初めの楽器に履修したMarketingの授業が面白かったです。ヨーロッパやアメリカ各地でMarketingの経験がある教授が、様々な会社を例に取り上げながら議論型で展開していく授業はいつも生き生きとしており、アメリカでビジネスを学んでいることを実感できる授業でした。
どんな教授がいましたか?
教えることが好きな教授ばかりです。一方的ではなく、双方向的な授業が多く、より分かりやすい授業をと常に模索してくださっています。質問や相談にも本当に親身になって乗ってくださるので素晴らしい教授ばかりだと感じています。
一日どのくらいの勉強時間を取っていますか?主にどこで勉強していますか?
授業は基本的に1日2~3クラス(1クラスあたりの時間は授業によって異なり、短いもので50分、長いと3・4時間)で、授業後はクラブ活動やミーティング、アルバイトの予定が入っています。
課題は空いている時間にまとめて片付けることが多いです。平日は多くて3~4時間、期末の時期は1日中図書館で勉強していることもあります。
アメリカの大学で学んでみて、日本の教育と違う点は何だと思いますか?
私は日本の総合大学とアメリカのリベラルアーツカレッジを経験しましたが、アメリカの方が大学での学びには適した環境だと感じます。アメリカでは、生徒の学びと成長を1番に、生徒が主役である授業が行われます。リベラルアーツカレッジの1クラスあたりの人数は8~25人ととても少数のため、教授は1人1人の名前を覚えるほど気にかけてくれます。そのため、生徒と教授の距離が近く、授業内外を問わず質問がしやすい環境です。課題にもフィードバックがもらえるため、ひたすら課題をこなすだけでなく、実際に学んでいる感覚があります。教材も教授独自のものではなく、教科書として販売されているものなので分かりやすいです。違いは他にもありますが、アメリカの就職は職種採用のため、大学でしっかりとスキルをつけるカリキュラムになっているイメージです。
アメリカの大学授業についていけるかどうか心配される日本の学生は多いです。アドバイスがあれば教えてください。
どうにかなるので心配はいりません。大事なのは、授業に対する心配を素直に教授に打ち明けて、適切な助けを差し伸べてもらうことだと思います。教授は質問や相談に親身になって応じてくれます。最初は難しいと感じる授業も、大学の様々なサポートを利用することで高得点は十分に狙えます。頑張る人は報われるべきだという考えを持っている教授が多く、努力した分、評価につながるため、非常にやりがいがあります。
最後に
アメリカの大学に進学するかどうか悩んでいる方に向けて、アドバイスをお願いします。
私が海外大学への進学を決意したのは、高校3年生の夏休みも終わる頃でした。周りが受験モードに染まる中、1人で迷い、数か月かけて出した、人生で最も大きな決断でした。今振り返れば、焦りを感じる中でも、受験生のあの時に一度立ち止まり、自分と向き合う時間をとったことで、本当に望む道を選択することができたと思います。
その前後も、費用、コロナ、幾度も壁にぶつかり、その度に海外大学進学を諦めかけました。最終的に決断することができたのは、「この選択肢を持った以上、挑戦しなければ、心残りになり続けるだろう」と考えたからでした。ここで私が感じたのは、選択肢を持てたこと、挑戦できることに対するありがたさでした。これまで歩んできた道を振り返ると、多くの人にお世話になってきたことに気づかされました。誰しもそうだと思います。これまでの道のりを細かく振り返ることで、自分の望むものが明確になり、勇気を持って決断をすることができました。海外大学への進学という進路はまだまだ少数派です。最終的に挑戦する自分を勇気づけられるのは自分しかいないとも実感しました。周りと比べるのではなく、自分と向き合うことで、後悔のない進路を選択してもらいたいと思います。