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アメリカ大学留学奨学金体験談(フロリダ州)
ウェバー国際大学(Webber International University)
若いうちに海外の大学で多くのことを学ぶのは非常に貴重な経験
- 松岡 弘 さん 20期生
- ウェバー国際大学(Webber International University / フロリダ州)
- 専攻:Finance
- 出身校:福岡県立春日高等学校
- 2014年8月~2015年5月
留学前について
留学前はどんな学生生活を送っていましたか?
留学前は日本の大学に在籍していました。留学期間は1年間と決めていたので、限られた時間の中で何を学び、学んだことをどう活かすのかを決めることを意識して、学生生活を送っていました。
具体的には、図書館で政治、経済、社会、文化、経営といったあらゆる分野の学術書を読み、深く学んでいきたいと思える「専攻分野」を決める努力をしました。勉強を通じて、私は金融、国際金融を深く学びたいと思い、留学先での専攻を決めるきっかけになりました。
英語に関しては、英語を勉強するのではなく、興味のある学問を英語で勉強することで英語力を伸ばしていました。インターネット上の動画や記事を読んで、専攻分野の知識を得ると同時に、語学力の向上に努めました。
なぜ日本の大学ではなくアメリカの大学を選んだのですか?
私がアメリカの大学を選んだ理由は、「アメリカからみた金融」を学びたいと思ったからです。このように思ったきっかけは、アイルランドで国際関係を学んだ先輩から、「アイルランドで学んだ国際関係論はヨーロッパ視点のもので、日本の国際関係論とは全く異なって面白かった。」という話を聞いたことです。
その時私は、日本の金融学とアメリカの金融学のアプローチは、どのように異なるのかを明らかにしたいと思い、アメリカの大学を選択しました。
なぜ奨学金留学プログラムを利用したのですか?
奨学金を貰って留学に行った先輩から、奨学金留学を勧められたのがきっかけでした。私自身もなるべく留学費用を抑えたいと考えていたので、様々な奨学金制度を調べました。そのなかで、奨学金留学プログラムは大学の選択肢が多かったので、Global Studyさんが提供するプログラムを利用しました。
なぜ、今の大学を選びましたか?
上記の質問でも述べた通り、私はアメリカで金融学を勉強したいと思っていました。大学リストの中で、金融学を専攻できる大学がWebber のみだったので、私はWebberを選択しました。また、全学生数が800人弱の小規模な大学であったことも大きな魅力でした。小規模な大学は、学生間の距離が近く、教授とのコミュニケーションもとりやすいため、非常に居心地がよいと思いました。
留学前に感じていた不安はどのようなことでしたか?
留学前の一番の不安は、私のリスニング能力でした。英語の勉強を通じて、私はリスニングが苦手であると自覚していました。留学先の友達の言っていることを聞き取れるのか、授業で教授が話していることを聞けるかといった不安がありました。その不安を和らげるために、英語のニュースやリスニング教材を聴いていました。
どのように英語学習を進めましたか?また、TOEFLやIELTSのスコアアップに取り組んでいる方にアドバイスがあれば教えてください。
私はTOEFLを受験しましたが、スコアアップへの近道は語彙力を強化することだと思います。TOEFLでは、天文学、物理学、生物学といった大学での授業を前提とした内容が出題されます。そのため、専門的な単語を知っていないと、高いスコアを取ることは難しいと思います。
次に、各セクションについてです。リーディング、リスニングについては市販の教材を利用し、繰り返し練習することで、スコアアップが可能だと思います。問題は、スピーキングとライティングです。これらの勉強法としては、参考書にある答えのサンプルから、使えそうなフレーズや文章をひたすら暗唱するのをお勧めします。これを行うことで、限られた時間で何を話す・書くべきかがわかってきます。
留学中について
留学先で一番大変だったことは何ですか?
留学先で最も大変だったのが投資の勉強です。私は投資に関する知識が全くない状態で授業を取ってしまいました。初回の授業で、株を5者分選んで他の学生に勧めるプレゼンテーションを行うよう言われ、一週間で株に関して勉強をして、選びました。私は当時、寝る時と食事の時間以外は株の勉強をしました。
留学先で挑戦したこと・がんばったことを教えてください。
留学先でがんばったことは、他の学生に授業を教えたことでした。数学の授業で、私がクラスの中で得意なほうだったので、他の学生に教える機会がありました。人に教えることを通じて、自身の語学力の向上や友達づくりのきっかけとなり、非常に良い経験だったと思います。
留学をする前と現在では、自分の何が変わりましたか?
積極的に他の人に話しかけ、考え方の違いを楽しめるようになったと思います。留学以前は、自分から友達づくりを積極的に行うタイプではありませんでした。また、自分好みの考え方を持っている人とばかり仲良くなる傾向がありました。しかし、留学先では、自分から話しかけに行かないと、友達になる機会がほとんどありませんでした。さらに、友達になった他国の留学生との会話を通じて、全く異なる考え方を受け入れられるようになりました。
今振り返ってみて、留学前にしておけばよかったと思うことはありますか?
留学前に、海外の映画やスポーツを知っておけばよかったと思います。多くの留学生が何かしらのスポーツや映画に興味を持っていましたが、私はあまりスポーツ観戦や、映画鑑賞をしていませんでした。スポーツや映画に詳しければ、もっと会話のネタが増えていたと思います。
留学で得たことは、今後の人生・キャリアにどのように生かせると思いますか?
留学先で得た語学力と金融に関する知識は、私のキャリアに活かせると考えています。私は、高度な語学力と金融リテラシーを用いて、グローバル企業の金融サポートを行いたいと考え、現在も勉学に励んでいます。個人レベルから企業レベルまで、あらゆる人のお金の悩みを解決できる人間になりたいと思います。このように志すようになったきっかけとして、留学経験はとても大きな影響を与えていると思います。
留学をしてよかったと思いますか?
上記の質問で述べた通り、留学経験は私の人生にとって重要なターニングポイントとなり、留学をして良かったと思います。留学を通じて私は様々な考え方や知識を身につけることができました。この経験を活かして、今後の人生をより実りのあるものにしたいと考えています。
大学生活について
大学のサポート体制はどうでしたか?
留学生を多く受け入れている大学ということもあり、サポート体制は充実していたと思います。生活支援班のような施設があり、学業や、学内外でのトラブルに対応してくれます。教授の方々も留学生が多いことを理解しており、授業で分からない箇所は丁寧に説明してくれました。
また、大学側が様々なイベントを用意していたので、休日に参加しました。スポーツ観戦、ディズニーワールド、映画鑑賞など、イベントの種類は多岐にわたっていました。以上のように、大学側から多くのサポートがありますが、自分から行動しなければ、状況は変わらないということも留意してください。
寮生活で良かったことは何ですか?
寮生活で良かったことは、相部屋だったことです。朝晩はルームメイトと過ごすことが多かったので、授業のことや、お互いの国のことを話すことができました。また、異文化圏の人と一緒に生活することを通じて、生活習慣の違いなど、貴重な経験をすることができると思います。
他の良い点は、教室までの距離が近いことです。自分の部屋から数分で移動できたので、移動時間の短縮をすることができました。
寮生活で困ったことはありましたか?
寮生活で困ったことは、集中して勉強できる場所が少なかったことです。大学に図書館がありましたが、雑談をしている学生も多く、なかなか集中して勉強することができませんでした。自分の部屋は相部屋だったので、ルームメイトがいる時は集中して勉強することが難しかったです。
水道水の水質が悪かったのも大きな問題でした。歯磨きをするときはミネラルウォーターを使っていました。洗濯するときは、水の臭いが付いてしまうので、香りがきつい柔軟剤を使ってごまかしていました。
休日は何をして過ごしていますか?
宿題が多い週は、宿題をしていました。それ以外の時間は、ジムに行って運動や、娯楽室でビリヤードや卓球をして遊んでいました。また、大学側が提供するイベントにも参加しました。アイスホッケーの試合やショッピングモールでの買い物といったイベントに参加しました。
大学で、勉強以外に取り組んでいることがあれば教えてください。
運動を定期的に行うようにしていました。ルームメイトは野球をしていたので、彼から様々なトレーニング方法を教わり、実践しました。大学のジムを使うことができたので、友達と一緒にトレーニングに励みました。
どのようにして友人ができましたか?
私がとっていた授業は学生数が5~6人しかいなかったので、授業を通じて友達が増えていきました。授業でわからなかったことを教えたり、逆に教わったりと、交流する機会が多かったです。
イベントに参加することも、友達を増やす絶好のチャンスだと思います。
周囲の学生にはどんな人がいましたか?
出身国でいうと、圧倒的に中南米からの留学生が多かったです。実際私の友達も、ブラジル、コロンビア、ウルグアイといった国から来ていました。スペイン語話者が非常に多かったです。
学生の授業に対する意欲ですが、思った以上に学習意欲が低くて驚きました。留学前は、アメリカの大学生は勉強にまじめに取り組んでいるイメージを持っていました。しかし、留学先の学生は、宿題さえ提出すればよい、授業に出なくてもよいといった考えを持っている学生も少なくありませんでした。
アメリカという国や、滞在されている州や都市について感じたことを教えてください。
フロリダ州は亜熱帯気候で、一番寒い時期もパーカー一枚で過ごせるほどの暖かさでした。また、スコールが存在し、通り雨が多かった印象です。現地の人柄についてですが、陽気な人が多く、話していて楽しかったです。フロリダ半島はもともとスペイン領だったこともあり、ヒスパニック系の人が多いです。商品のラベルを見ても、英語とスペイン語で表記されていて、面白かったです。
夏休みなどの長期休暇期間は何をしましたか?
長期休暇期間は旅行に行きました。タンパやマイアミ等のフロリダ州内の観光スポットを巡ったり、車でニューヨークまで行ったりしました。基本的に長期休暇中は寮を使うことはできないので、別の場所で休暇を過ごす人がほとんどです。
大学での勉強について
留学先の大学では何を専攻していますか(する予定ですか)?それは何故ですか?
留学先では金融を専攻していました。理由については、上記の質問でも述べたように、日本の大学に在籍中、より深く学んでみたいと思った学問が金融だったからです。
今までの授業で一番大変だった内容・科目は何ですか?
Investmentの授業が一番大変でした。授業の初めに選んだ企業の株に投資をすることで何パーセントのリターンを得られるかを、財務分析、証券分析の両面から行いました。さらに、実際にポートフォリオを組んで、どれほどリスクヘッジができているかの分析も行いました。授業で学んだアプローチを適用し、実際に分析を行うのは非常に大変な作業でした。クラスメイトと協力をして、なんとか完成させ、友情を深めることができたのは良い思い出です。
お気に入りの授業があれば理由も含めて教えてください。
Managing Financial Institutionsという授業がとても面白かったです。この授業は金融市場でどのような商品がどのような目的で取引されているのかを明らかにしたうえで、銀行、投資信託、証券、保険会社といった金融機関がどのように商品を扱い、利益をあげているのかを学ぶ授業です。
覚えることが多く、宿題の量も多かったですが、この授業で得た知識は、留学後の生活に大いに役立っています。というもの、金融関係のニュースを見る時に、ニュースでの出来事が金融市場や実体経済にどのような影響を与えるのかを深く分析できるからです。
どんな教授がいましたか?
教授は気さくな方が多く、学生とのコミュニケーションを大事にしていると思いました。学生の質問に対して真剣に対応していました。授業の進む速さは教授によって異なりますが、金融を担当する教授の授業が一番速かったです。
一日どのくらいの勉強時間を取っていますか(授業時間、自習時間のそれぞれで)?主にどこで勉強していますか?
授業時間は一日に2、3コマ(1コマ80分)でした。自習時間は平均4時間ほどだったと思います。勉強場所は図書館でした。自習内容は授業の予習、復習、テスト勉強等です。
アメリカの大学で学んでみて、日本の教育と違う点は何だと思いますか?
アメリカの大学授業の特徴は、授業数が少ない分、一つの授業内容が濃いことだと思います。日本の大学では、1週間で15コマほどの授業をとりますが、基本的な内容のみを習い、興味のあることは自分で学習するスタイルです。しかし、アメリカの授業は、1週間で8コマほどしか授業はありませんが、予習を前提とし、宿題も多いので、1つの授業当たりの負担がとても大きいです。負担が大きい分、学べることが多いです。
アメリカの大学授業についていけるかどうか心配される日本の学生は多いです。アドバイスがあれば教えてください。
大学授業についていく上で一番大切なことは予習だと思います。授業が始まる前に該当する箇所を読んで、まとめていくことで、次の授業で何をするのかがはっきりとして、ある程度ついていくことができます。どの授業を取るかにもよりますが、1週間で150ページほどの内容を読まなければなりませんでした。特に最初の1カ月は、圧倒的な文量を前に挫折しそうでしたが、粘り強く取り組むことで、少しずつ慣れていくことができました。
最後に
アメリカの大学に進学するかどうか悩んでいる方に向けて、アドバイスをお願いします。
若いうちに海外の大学で多くのことを学ぶのは、非常に貴重な経験だと思います。しかし、大学生活は楽しいことばかりではなく、つらい経験や苦しい思いをすることも多々あります。その時に挫折して、後悔することのないよう、事前に次のようなことを考えておくべきだと思います。「留学を通じてどのような人間になりたいのか?」「自分の人生の中で留学はどのような役割を果たすのか?」留学全体を通しての目標があれば、多少の苦労で挫折することはないと思います。皆さんの留学生活が実りのあるものになるよう、心からお祈りしております。頑張ってください。