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アメリカ大学留学奨学金体験談(ミシガン州)
アキナスカレッジ(Aquinas College)
なぜアメリカの大学に行きたいのか見極め進学の決心
- 松田 絢伽 さん 22期生
- アキナスカレッジ(Aquinas College / ミシガン州)
- 専攻:Psychology
- 出身校:都立西高校
- 2015年8月~(卒業予定)2019年5月
留学前について
留学前はどんな学生生活を送っていましたか?
高校卒業してから出発までの半年間はアルバイトと英語の勉強を主にして過ごしていました。また、学校のホームページを見てみて、希望の専攻分野/学科をなんとなく絞っていました。
なぜ日本の大学ではなくアメリカの大学を選んだのですか?
色々な理由が重なったせいでもありますが、一番の理由としては高校3年の時点で自分が何を大学で学びたいのかはっきりしていなかったからです。日本の大学の場合、受験前に専攻学科を決めなくてはいけなかったので、それは非常に重荷でした。その点、アメリカの大学は入学後に専攻を宣言すればよく、さらにはいつでも専攻を変更できる、という柔軟な制度が私にはぴったりだと思い、アメリカ大学への進学を本格的に考え始めました。
なぜ奨学金留学プログラムを利用したのですか?
日本の大学と比べて年間授業料が非常に高かったからです。色々な奨学金制度を調べてみた結果、ここの奨学金が最大額(年間授業料・寮費・食費の半分以上)を支給してくれると分かり、このプログラムに決めました。
なぜ、今の大学を選びましたか?
奨学金支給額が半額だったのが一番大きいですね。私の場合、半額以上支給の大学は7校でしたが、最終的に2校にまで絞りました。そして実質額でその2校を比較した際、Aquinasのほうが安かったのでそちらにしました。その他の条件として私が考えていたのは:
- 学校の規模: マンモス校だと留学生に対してのサポートが手薄になると考え、小規模校を希望していました。加えて、教授陣とのコミュニケーションがより円滑である少人数授業が可能な学校を望んでいました。
- TOEFLのスコア: 学校側からの要求スコアが高い=在校生の平均学力も高め、と推測しました。自分の実力よりも少し高めを目標にしていました。
- 留学生人口: 特に日本人が少ない学校を希望していました。英語力向上の意味もありますが、留学生あるいは日本人在学生としての希少価値が自分に与えられるとの考えもありました。
- 学校所在地:訛りを気にしての条件でした。南部は訛りが強いと聞いていたので、なるべく中西部(比較的標準英語圏)を中心に学校を絞りました。
留学前に感じていた不安はどのようなことでしたか?
授業がどんな風に展開されていくのか全く想像つかなかったことですかね。また、私は授業中に発言するタイプではなかったので、少人数授業でたくさん当てられたら困るなあとは思っていました。ですが、今回がいいきっかけになるかもしれない、と希望も多少ありました。その他はほとんど皆無と言っていいほど不安はありませんでした。むしろ期待の方が大きく、一刻も早く出発したい気持ちでいっぱいでした(笑)
どのように英語学習を進めましたか?また、TOEFLやIELTSのスコアアップに取り組んでいる方にアドバイスがあれば教えてください。
もともと英語は得意分野だったのですが、TOEFLは受験した経験がなかったので多少の不安はありました。私の場合、高校の英語の先生にTOEFL用の勉強法を相談してみたところ、とりあえず1回チャレンジしてみたほうがいいと言われました。そのほうがテスト会場の雰囲気、テスト形態、自分の苦手分野を把握できるから、とのことでした。実際、先生からのアドバイスは的確で、2回目で奨学金プログラムと学校側、両方からの要求スコアをクリアできました。
留学中について
留学先で一番大変だったことは何ですか?
何事においても情報が十分ではないことですかね。日本人の場合と違って自分から訊かないと何もはっきりしません。特に事務、書類関係は積極的に細かいところまで質問しないと提出の際に面倒なことになります。(不備があると言ってその場あるいは後々跳ね返されます)日本人の手厚いサポートと迅速な対応に慣れきっていたので、大学に着いてからの数週間は困惑しきりでした(笑) 質問するのは多少ためらってしまうかもしれませんが、相手は全くそんなこと気にしないですし、むしろ質問されるのが普通だと思っているので思い切って、ちゃんと質問することが大事だと思います。いい練習になりますよ!(笑)
留学先で挑戦したこと・がんばったことを教えてください。
授業についていけるか、ではなく、それぞれの授業からどんな新しいことを学べるか、どれだけ学習を楽しめるか、に重点を置いて勉強に取り組みました。英語は母国語ではないので、他の生徒よりも時間がかかりますし、授業のハードルが高いのは当たり前です。でも自分の姿勢次第で留学生活は格段に楽、なおかつ楽しいものになると思います。また個人的には教授たちとたくさんコミュニケーションをとるように心がけました。アメリカの大学では、ただおしゃべりをするためだけに生徒が教授のオフィスを訪問するのもいたって普通です。個人的にはこの現実はなかなか理解しがたいものでした。というのも教授は友達感覚で話ができる対象ではないと思っていたからです。ですが、実際に教授たちのオフィスを頻繁に訪ねてみて、この方法は新しい環境に慣れるには最適な方法だとわかりました。教授たちは授業関連のことだけではなく、学校生活一般に関して知っておいたほうがいいことをたくさん教えてくれましたし、私が留学生であることもちゃんと認識してくれたので、私にとってはプラスになることしかありませんでした!ですので、ささいなことでも質問したいことがあれば、素直に教授を訪問してみるのが一番だと思います。
留学をする前と現在では、自分の何が変わりましたか?
イライラする頻度が格段に減ったことですかね(笑) 留学生活の初めの頃は、思い通りに事が進まなくて、ストレスを抱えがちでした。(特に宿題は時間がかかりすぎて、自分に苛立っていました)ですが、せっかく念願のアメリカ留学の真っ最中なのに毎日イライラしていてはもったいないと思い、なるべく細かいことは気にしないように気をつけ、英語力は徐々に向上する、と長い目で見るように心がけました。最近はほとんど苛立つことがなく、もしそうなっても今の自分に必要なことは何かを冷静に考えられるようになりました。
今振り返ってみて、留学前にしておけばよかったと思うことはありますか?
特にありませんが、強いて言えばこっちでの生活に本当に必要なものを見極めて持ってくるべきだったかもしれせん。私の場合、食べ物(お菓子、インスタント食品)を色々持ってきましたが、自分で想定していたほど日本食が恋しくなったりはしませんでした。数週間でこっちの食事に慣れたので、よっぽど日本食が好きではない限り、そんなにたくさんの食品はいらないと思います。
留学で得たことは、今後の人生・キャリアにどのように生かせると思いますか?
リベラルアーツカレッジということで、自分の専攻分野以外の様々な学問分野を学べる(必須科目として課される)ので総合的な知識力が上がることは今後プラスになると思います。また多文化圏での生活は自立的な生活をするのに役立っていくと思います。特に寮生活では自分で生活リズムを作り整えていくので、より自立した生活を送れるようになると思います。
留学をしてよかったと思いますか?
もちろんです。毎日何かしら学ぶことがあるので楽しい限りです!こちらでの生活では自分なりの目標を持ってなおかつ自分のやり方を貫くことが大事なのかもしれないと考えています。
大学生活について
大学のサポート体制はどうでしたか?
正直、大学到着直後はあまり手厚くありませんでした。留学生ということでアメリカ人学生よりも早く入寮できたのは良かったのですが、ほとんど何もわからないままとりあえず入寮し、誰に何を訊いていいのかもわからず、キャンパス内をさまよっていました(笑)
寮生活で良かったことは何ですか?
毎朝通学しなくていいことですかね。高校の時は片道1時間ほどかけて通っていたので、その頃に比べると、より多く勉強時間と睡眠時間が取れるようになりました。
寮生活で困ったことはありましたか?
誰と一緒に晩御飯を食べるか毎日悩んでいましたね(笑) 朝ごはんと昼ごはんは時間割の関係で誰かと一緒に、ということはあまりなかったのですが、私の場合、ルームメイトとその他の友達、特に留学生たち、どちらと一緒に晩御飯を食べるか悩みどころでした。また毎回、何時にカフェテリアに行くのか聞かなくてはならないのが個人的には苦痛でした。ですが、今は相手のスケジュールもなんとなく把握できるようになったので、日ごとに違う友達と食事をするのも普通になりました。慣れるまでの辛抱だったのかもしれません(笑)
休日は何をして過ごしていますか?
1学期目はほとんど宿題に時間を割いていました。こちらでは週末は勉強から離れるのが普通なのですが、何しろ言語のハンデがあったので平日の勉強時間だけではどうしても足りませんでした。(個人的には早めに宿題を終わらせたいタイプだったので週末=時間がある、という認識が強かったです)今学期は比較的時間があるので、ジムに行ったり、勉強以外のやりたいことをしたりしてゆっくりとした時間を過ごしています。宿題も遅れをとらない程度にこなしています。
大学で、勉強以外に取り組んでいることがあれば教えてください。
読書になるべく時間を割くように努力しています。もともと読書好きなのもありますが、英語を読むスピードを上げるのに確実に役立ちますし、日本の小説とはまた違ったタイプのものが多いのでその違いを楽しんだりしています。ティーン向けの読みやすいものを中心に読み始め、この前の冬休みには4冊読めました!夏休みはもっと読めるのではないかと期待しています(笑)
どのようにして友人ができましたか?
他国からの留学生が最初でなおかつ一番仲のいい友達です。イタリア人とスウェーデン人と地元のアメリカ人の4、5人でいつもだいたい一緒に過ごしています。留学生はアメリカ人学生よりも早めに大学に到着し、留学生のみのオリエンテーションを受けたので当初から一緒に行動する機会が多かったのが要因だと思います。また、友達の友達が新たな友人として知り合いになることが多いです。ですので新しい人に会ったら自己紹介と相手の名前を覚えられるように頑張ってみてください(笑)
周囲の学生にはどんな人がいましたか?
渡米前に予想していたよりも、周りがあんまり勉強しないことが発覚しました。もちろんきっちり勉強する人もいますが、ほぼ全員勉強まっしぐらというわけではないとわかりました。ただ、だからと言って自分も勉強しなくていいわけではなく、サボればその分だけ後からツケが回ってくるので留学している意義を常に意識しながら過ごすといいと思います。こちらでは、自分は自分、他人は他人という線引きが明確なので勉強しなくてはいけないから、と相手からの誘いを断っても全く問題ありません。皆さん理解してくれます!
アメリカという国や、滞在されている州や都市について感じたことを教えてください。
現在、ミシガン州にいますが、会う人皆さんとても優しいです。特に私の場合、ルームメイトの家族、親戚、知り合い、皆さんとてもフレンドリーで色々日本について質問してくれたり、ミシガンについて教えてくれたりと英会話のいい練習になっています(笑) また、こちらへ来る前はアメリカの犯罪率は日本よりも高いので身の安全、身の回り品には気をつけなくてはいけないと緊張していましたが、学校では皆さん携帯やIDをカフェテリアでの席とりに使ったり、トイレに行く際に荷物を置き去りにしてもほとんどの場合大丈夫だと判明しました。(いずれも短時間であれば、の話です)学校の外に出たらもう少し安全に気を配らなくてはいけませんが、かといって常に周りを見回してカバンを守る、というほど張り詰めた感じではありません。必要最低限の防犯意識があれば問題ないと思います。
夏休みなどの長期休暇期間は何をしましたか?
今のところ、秋、冬、春休みを経験し、一番長い夏休みはもう少し先なのですが、基本的にルームメイトの家に泊まらせてもらっています。他の留学生はルームメイトに限らず別のアメリカ人の友達の家で過ごしたり、長期の場合母国に帰ったりしていました。(主に冬休みです)ただ誰でもいいルームメイトを手に入れられるわけではないので、その点あまり期待して計画を立てない方が無難だと思われます。事前に日本へ帰る航空券を買っておいても問題ないと思います。個人的には本場のクリスマスを味わえたことが一番楽しかったです!
大学での勉強について
留学先の大学では何を専攻していますか(する予定ですか)?それは何故ですか?
Psychologyで考えています。個人的に興味深い学問分野だと感じているのと、あまり知識がないということでさらに勉強を進めていく対象としてぴったりだと思いました。また、アメリカの大学ではMinor(副専攻)をとることも可能なので、もしかしたらPolitical Science あるいはSpanishを選ぶかもしれません。いずれももっと理解を深めたい!と感じた科目です。
今までの授業で一番大変だった内容・科目は何ですか?
Inquiry and Expression というライティングの授業はなかなかハードでした。1学期のうちに定期的に作文に取り組み、最終的には4作エッセイを仕上げるコースでしたが、私の場合、1学期目に取ったクラスだったので英作文は結構大変でした。ですが、少しでも多く時間を割いて宿題に取り組んだ結果、最初の頃と比べて格段にいい文章が書けるようになったのを実感できたのでとても役にたつクラスでした。(最初と最後のエッセイを読み比べてみました)コースの総仕上げとして提出したPortfolio(4本のProject Paperとその他3,4本のエッセイ)はトータルで50ページになり、積み重ねの凄さを感じました。
お気に入りの授業があれば理由も含めて教えてください。
First Year Experience (FYE) はFreshman全員が履修する授業で、生徒たちがなるべく早く大学に馴染めるように教授と、あるいは生徒同士で情報交換をする場でした。なのでこの授業はいわゆる'授業'というものではなく生徒の息抜きとして機能していました。担当の教授にもよりますが、私の教授はとても優しい世話焼きのいい人でした。ですが宿題は決して楽ではありませんでした(笑) リーディングと感想文の宿題を毎週出されました。
どんな教授がいましたか?
FYEの教授は授業期間が終わってからも連絡を取り合うほどにまで仲良くなれました。この教授と知り合って学んだことは、なんでも相談できる教授を1人でも持つとそこから他の教授と新たに知り合いになれてネットワークがどんどん広がっていくということです。ですので仲良くなれそうな教授に当たったら、頻繁にオフィスを訪ねてみるようにしてください!
一日どのくらいの勉強時間を取っていますか(授業時間、自習時間のそれぞれで)?主にどこで勉強していますか?
自習は多い時で平日7時間、平均5時間くらいです。主に自分の部屋あるいはキャンパス内のカフェで勉強しています。個人的にあまり人がいないところで勉強したいので、最初の頃はいろいろな場所を転々としてどこが自分にとってベストかをリサーチしました。私の友達には図書館を好む人もいるので人によります。授業は1日平均2、3クラスで長さは50?70分と授業により異なります。2学期目からは自分で時間割をコントロールできるので、いろいろ工夫してみてください。(1学期目はアドバイザーがほとんど勝手にクラスの時間帯を決めてしまいました)同じ教授でも曜日、時間帯が異なる選択肢があったりするので自分で選べます。
アメリカの大学で学んでみて、日本の教育と違う点は何だと思いますか?
宿題は予習の一環として課されますが、やるかやらないかは当人次第、という自己責任の雰囲気が強いです。やらなくて困るのは生徒自身なので、そこまで細かく教授から宿題について触れることはないです。反対に、やった分だけ得をするので全ての宿題をこなすように努力すべきだと思います。また、質問等、教授とのコミュニケーションもなかなか良い勉強法の一つなので、授業中が難しければ、授業後に話をすることをおすすめします!勉強関連のサポートも充実していますが、これもまた利用するかしないかは生徒次第です。全体的に見ると個人へたくさんの選択権が何事においても与えられていると思います。
アメリカの大学授業についていけるかどうか心配される日本の学生は多いです。アドバイスがあれば教えてください。
前述した通り授業についていけるか、ではなく何を学べるか、どうやって勉強を楽しむかがカギだと思います。はじめの頃に遅れをとりがちなのは当然なので自分のペースで勉強を進めていくように心がけてください。きっとほとんどの時間を宿題に費やすことになると思いますが、慣れてくれば宿題もテンポよくこなせるようになるので、留学当初の段階で勉強に対する姿勢をしっかりさせることが肝心だと思います。
最後に
アメリカの大学に進学するかどうか悩んでいる方に向けて、アドバイスをお願いします。
私はアメリカ大学進学を決意したことは間違いなく正しい決断だったと思います。それは日本の大学との違いをきちんと理解したうえで自分にはアメリカの大学の方が合っていると考えたからだと思います。多くの人が授業についていけるか不安、と考えているかもしれませんが、本気で留学したいという強い意志があればアメリカの大学での授業にもしっかり取り組めると思います。もし自信がないのなら渡米する前に十分な準備期間を設ければいいですし、いろいろと手立てはあるはずです。また、英語力向上だけが目的ならば何もアメリカの4年制大学に進学する必要はなく、語学留学で済んでしまいます。ですので、なぜアメリカの大学に行きたいのかしっかり見極め、進学の決心をするのがいいと思います。いざ進学を決意したのなら、あとは全て自分次第です。何を学び、どんな課外活動をし、誰と友達になるか、などなど、何事も自分の意思次第で大きく変わってきます。アメリカのいいところは個人の選択を尊重してくれるところなので、そこを利用して自分なりに意義のある留学生活を送れるように意識して過ごして欲しいです。決断には責任が付随してきますが、その分自分の手の内に多くの選択の自由があるのも事実です。しっかりとした目的意識があれば、どんなことでもこなしていけるので、まずはしっかり自分と向き合ってアメリカ進学について真剣に考えてみてください。応援しています!