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アメリカ大学留学奨学金体験談(テネシー州)
メリービルカレッジ(Maryville College)
能動的に取り組む姿勢やグループをまとめるリーダーシップ
- 伊藤 綾香 さん 12期生
- メリービルカレッジ(Maryville College / テネシー州)
- 2010年8月~2012年6月まで留学
その後はイギリス大学院へ進学
留学の体験談
日本の大学ではなく、アメリカ(海外)の大学を選んだ理由
リベラルアーツカレッジの2年生としては、私の経歴はちょっと異色かもしれません。2008年に日本の大学を卒業し、2年間社会人として働いていました。会社勤めをしながら、留学への希望も捨てきれずにいた2010年初め、Maryville Collegeの存在を知りました。
これから新しく1年生としてアメリカの大学に入学し、何歳も年下の学生たちと一緒に4年間学ぶ事にどんな意義があるのか。当時24歳という年齢だった事もあり、迷いました。でも最後に背中を押してくれたのは、家族や友人のサポートと、「アメリカに留学したい」という自分の正直な気持ちでした。日本とアメリカの大学生活の比較ができる事に魅力を感じていたのも大きな理由のひとつです。
留学中に一番苦労したこと
1年生の時は一人部屋に住んでいたので、自分で勉強に対するモチベーションを上げるのが大変でした。課題が溜まっても誰もやりなさいと叱る人はいませんし、ルームメイトもいなかったので、自分でやる気を出さないと何も進みません。宿題をやっていかなければ、後で困るのは自分です。
留学中に一番楽しかったこと
Maryville Collegeは学生数は少ないですが、留学生の割合は非常に高く、さまざまな国の文化に触れる事ができます。留学生全体が大きなファミリーのような感じです。ESLはカレッジに比べてセメスター(セッション)の期間が短く、その度に新しい留学生が入ってくるので、友達がどんどん増えて楽しかったです。
留学経験で良かったこと
留学して1年が経つ頃、東日本大震災が起こりました。アメリカで学ぶ日本人として何か自分にできる事はないかと思い、支援グループを立ち上げました。他の学生や大学の学事、現地に駐在している日本人の方などと協力して、支援活動に携わりました。テレビや新聞の取材なども数多く受け、結果的に150万円以上の義捐金を集めて被災地に送った経験は一生忘れません。留学して日本人のアイデンティティを感じなければ、ここまで精力的に活動できなかったのではないかと思っています。
留学をして自分の何が変わった?
何かに能動的に取り組む姿勢やグループをまとめるリーダーシップなど、震災の支援活動が本当に自分を変えたと思います。留学生活そのものの意義を考え直すきっかけにもなりましたし、この経験を通して、実はイギリスの大学院への進学も決まりました。(「コミュニケーションにおける文化の違いが震災支援にもたらす影響」について研究する予定です)Maryville Collegeは結果的に中退する事となりますが、ここで学んだ経験がなければ大学院への進学も有り得なかったので、本当に感謝しています。
<大学生活>
(1)海外での寮生活で困ったことはありましたか?
大学(寮)の規模が小さいので、学生一人ひとりへのケアが細かく、特に困った事はありませんでした。
(2)それでは、寮生活で良かったことは?
フロアやRA(Resident Assistant、寮長のようなポジション)の人とすぐに仲良くなれた事です。2年目からはキッチン付きのスイートに移ったので、自分で栄養面などを考えて料理し、充実した食生活が送れたのも良かったです。
(3)休日はどのようなことをして過ごしていますか?
土曜日は朝寝坊して、ゆっくり好きな料理を作ったり、友達と街まで出かけたり。夜はパーティなどもよくしました。日曜は月曜日のスケジュールにもよりますが、大体一日中勉強しています。
(4)大学で、勉強以外に取り組んでいることがあれば教えてください。
ダンスサークルに入ってパフォーマンスしたり、国際交流サークルでリーダーシップポジションに就いていました。2011年の夏からはPeer Mentorという一年生のサポート役を務めたりもしました。私以外は全員アメリカ人だったので英語も上達し、世界が広がりました。
(5)どのようにして友人が出来ましたか?
もともと人見知りを全くしない性格なので、友達作りには全く不安がありませんでした。(あまりアドバイスにならなくてごめんなさい・・・)とにかく喋れなくても良いから、知らないコミュニティに突っ込んでいく事です。何度も出入りしていれば、そのうち向こうも顔と名前を覚えて話に入れるようになります。最初は話を聞いてにこにこしているだけでも大丈夫です。そこがスタートですから。
<大学での勉強>
(6)今までの授業で一番大変だった内容・科目は何ですか?
国際ビジネスの専攻だったので会計の授業があったのですが、もともと数字に弱いためかなり苦労しました。そこまで難しい授業ではないはずなのですが、専門用語などが英語では理解できず、辞書を引き引きの毎日でした。
(7)お気に入りの授業はありましたか?
マネジメントの授業が今までで一番面白かったです。任意の経営者を選んでインタビューし、それをレポートにまとめた後プレゼンテーションをするという課題があったのですが、私が住んでいるMaryvilleのローカルビジネスに触れる良い機会になり、とても楽しんで勉強できました。
(8)一日どのくらいの勉強時間をとっていますか?主にどこで勉強していますか?
図書館に行くとつい友達と喋ってしまったり、行っただけで勉強した気になってしまうので、かえって私はあまり利用しません。自分の部屋が一番集中して勉強できます。(これがシングルルームを選んだ理由でもあります)予習と復習などを合わせて、授業時間をのぞき一日5、6時間は勉強していると思います。
(9)伊藤さんは日本の大学も通われましたが、アメリカの大学と違う点は何ですか?
アメリカの学生は本当によく勉強します。日本の大学は入るのが難しく出るのが易しい、アメリカは逆というのは本当です。アメリカに来た直後は安直にアメリカすごいなーと思っていましたが、最近そうでもないのだという事が分かってきて、ちょっと面白いです。アメリカの学生は「意識が高くて自主的に勉強している」というよりは、「出された課題をこなさないとGPAが下がってしまう」という外的要因(恐怖心?)から勉強しているという印象があるからです。その意味では、日本の大学生でもしっかり自律して勉強している人はアメリカの学生より優秀なのかもしれません。
(10)アメリカの授業についていけるかどうか心配される日本の学生は多いです。アドバイスがあれば教えてください。
アメリカの学生が母国語で受ける大学教育を外国語で受けるのですから、やはり甘くはありません。外国人の友達をたくさん作りたいなら、世界中をバックパッカーで回ったり、ワーキングホリデーに行けば十分です。大学に留学するのですから、やはりそれなりの覚悟を持って結果を出す努力が必要だと思います。アメリカ人の友達も助けてくれるし、留学生なので甘く点数を付けてくれる先生もいますが、それにかまけていてはそれ以上の結果は望めないでしょう。
最初はとにかくがむしゃらに食らいついていく事です。そうすれば、どこでメリハリをつけるか(言い換えれば、どうやって要領良く課題をこなすか、力を抜くか)も自ずと見えてきます。