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スイス・ホテル経営専門大学BHMS留学の体験談
新たな世界で挑戦できることが海外留学の醍醐味「You can be anyone you wanna be here!!」
- 氏名:加納 佐知子 さん
- 日本での専攻:経済
- スイスでの専攻:ホテルマネジメント
- 出身校(高校・大学):旭丘高校、名古屋大学
- 留学期間: 2015年4月~2016年3月
【留学前について】
スイス留学前はどんな学生生活を送っていましたか?
働くことが好きだったため、大学の授業がない時はアルバイトを一日に2,3個かけもちして朝から晩まで働いていました。大学で学んでいたことに対してあまり興味が持てなかったので、本当に自分が将来やりたいこと、向いていることを探るためにも3年間でがむしゃらに20個くらいのアルバイトを経験させていただきました。それを通してホテル業界に最も惹かれたためホテル留学の道へとつながっていったという感じです。
なぜスイス大学留学を選んだのですか?
スイスはホテル学問・実習といった教育が、世界的に見て最高水準と有名であったことが一番の動機です。また、ひとつの大きな目標であった英語力の習得に関しても、語学留学に比べ、英語の上達が見込めることに加えてホテル学を学べ、実務経験を積むことができる点は魅力的でした。治安もよいので両親の賛同も得やすく、またその後の就職の際に大きなアドバンテージとなることも有難かったです。
なぜBHMSを選んだのですか?
最も大きな魅力だったのは1年間で座学と実務の両方を経験できるという点です。日本の大学を休学する関係で、1年間からでも参加できるプログラムがあること、また受け入れ時期も年に8回もあることは非常に好都合でした。金銭的に負担の大きいスイス留学において、BHMSの価格設定は良心的でしたし、HPの紹介動画や担当の方との事前のやりとりからもとても好印象を受けたので、最後には総合的に見てBHMSに決めました。
英語学習はどのように進めましたか?
TOEICの勉強を兼ねて座学でのインプットと、アルバイト先がエアポートホテルで半数以上のお客様が外国籍だったので実際の接客を通してアウトプットを心がけていました。つまらないと続かないので、英語字幕あるいは字幕なしで映画をみたり、現地でのイメージが膨らむよう、ホスピタリティ産業に関連した英語学習のサイトや本も活用していました。
留学前に不安だったことは何ですか?
英語での授業についていけるかが一番心配だったので、大学での留学経験がある友人や留学生の友達にアドバイスをもらっていました。
あとは生活圏がフランス語とドイツ語ということも多少気になりましたが、そちらは語学クラスがあると聞いていたのでなんとかなるかなという程度でした。(笑)
【留学中について】
留学先で一番大変だったことは何ですか?
自分を自分で律すること、と書くと少し大げさかもしれませんが、一人暮らし経験も初めてだった私にとっては、この留学が自立するということを学ぶ良い機会だったと思います。
周囲にはいろいろなタイプの友達がいます。在学中もインターンシップ中も日本にいる時と比べて自由に使える時間は多くありました。その中でスイスに来た目標を見失わず、その時々の優先順位は何なのかを考えながら、自分でその時間をどう最大限に活かすかが難しかったです。
留学先で挑戦したこと・がんばったことを教えてください。
私はこの1年「ここでしかできないことを全力でやる!」と心に決めてきたので、ターム中(インターン中)は思いっきり勉強(仕事)をして、休暇中は思いっきり遊んでいました。
勉強は学校で一番とってやるぞ!!!くらいの熱意をもって取り組み、追加授業料を払ってまで興味のある授業は取りました。また授業は全て録音し、土日の復習に活用していました。時間がかかるのでそこまでおすすめはしませんが(笑)、2回講義を聞くことで本当に大切なポイントがわかったり、便利な言い回しやうまい表現の仕方を盗めたりとレコーダーは何かと重宝しました。ペースの速い先生や、自分が聞き取りにくいなと感じる先生の授業では単純に聞き逃しを防ぐためにも便利だと思います。
インターンも閑散期には上司に頼み、他の部署のお仕事も経験させていただきました。それが新たな自分の糧となったのに加え、より自身の部署も客観的にみることができるようになりました。
そして何よりヨーロッパのど真ん中に住んでいるわけですから、ここぞとばかりにヨーロッパ中を巡りました!夏休み、クリスマス、ニューイヤー等イベントの度や、(スイスは物価が高いので)買い出しも含め(笑)1年でも軽く10回以上は旅ができました。
留学をして自分の何が変わりましたか?
人それぞれの違いに対して寛大になりました。ルームメイトや同僚の多くが同性愛者であったことや、仲の良かったバーレーン・ベネズエラ・オーストリアの友達が非常に個性的であったことから、全く異なる文化や考え方に対する抵抗はかなり減ったと思います。
と同時に、「他人に期待しない生き方」を学びました。特にこのホスピタリティ産業は人と人との関わりが全てといっても過言ではないので、どういったスタンスで他人と付き合っていくかが人間関係のストレスに大きく影響を与えると思います。他人を信用しないだとか任せないという意味ではなく、人に対しては多くを求めず、基本的には自分自身の意思、決断で行動するということです。その上で、もちろん自分から人に興味を持ったり、働きかけたりすることは大切ですが、それで相手が喜んでくれたらラッキー♪、関係がうまくいったらラッキー♪程度にゼロラインを下げておくこと。これは将来、自分で道を切り開いていくうえでも身を助ける心持ちの一つだと思いました。
今振り返ってみて、留学前にしておけばよかったと思うことはありますか?
語学学習に尽きますかね…(苦笑)
どこでインターンシップを実施されるかはわかりませんが、もしドイツ語圏あるいはその他言語圏をねらうのであれば日本にいるうちから準備をしておくに越したことはないと思います。
留学で得たことは、今後の人生・キャリアにどのように生かせると思いますか?
留学で得たものを振り返ると、もちろん知識や技術もそうですが、それ以上に生身の人間から受けた刺激やそれによって考えさせられたことだと思います。そのすべてが今後の私のあり方に影響を与えるだろうと思います。
例えば、私は今までわりと一点に向かって全力で猪突猛進するタイプでしたが、人生はバランスだということをいろいろな方の生き方から学びました。ここで出逢ったデキル人たちは皆よく学びよく働いていましたが、と同時によく遊びバカになれる方が多かったように思います。行き詰った時に誰かしらがいつも諭してくれたように、勉強だけ・仕事だけはうまく歯車は回り続けないし、何かあった時に身が持たない。何より忙しいと心を亡くしてしまいます。将来のワークライフバランスを考える上でも、もう少し頭を柔らかくして余裕のある考え方、生き方ができるといいなと思います。
留学をしてよかったと思いますか?
もちろんです!!!!!!!!
【大学生活について】
大学のサポート体制はどうでしたか?
満足しています。どの部署の方も困ったことがあれば親身に対応してくださいました。特にスイス在住の日本人スタッフはお心遣いの素晴らしい方で、出発前から、在学中、インターン中問わずいつも気にかけて連絡をくださいました。直接顔を合わせて話をする機会も何度か設けていただき、精神的に非常に心強かったです。
寮生活で良かったことは何ですか?
一歩部屋を出れば誰かしら顔見知りの友達にすぐに会えるのでホームシックには全くなりませんでした。寮が校舎の一部であり、24時間オフィス体制の安心感と、何かあった時は友人同士気軽に助け合える環境も寮ならではだと思います。
また寮のレストランでは朝と昼はビュッフェ形式(休日はブランチ)、夜は生徒がchef & serverとなって、本格3コースメニューが堪能できるため…太りました。(笑)
寮生活で困ったことはありましたか?
私自身は特にありませんでしたが、ルームメイトに対してストレスを抱えていたり、食事が合わない友人は結構いました。
休日は何をして過ごしていますか?
授業の予習・復習・課題等をしたり、友達と出かけたりしていました。友人と各国の手料理パーティーもよくしました。毎回誰かの誕生日は集まって誕生日会を開いていたのですが、印象的だったものだと、甘いものが苦手な親友のバースデーにお好み焼きをケーキ風にアレンジしてサプライズしたりしました。
また学校側もほぼ毎週幅広いジャンルのリクリエーションを基本的に無料で企画してくれます。みなで博物館や映画館へ行ったり、サイクリングをしたり、Euro parkというテーマパークを訪れたりしていました。
大学で、勉強以外に取り組んでいることがあれば教えてください。
毎ターム終わるごとに1,2週間のお休みがあるのでそれを利用してヨーロッパ周遊を楽しんでいました。交通の便がいいので格安航空会社や電車を利用する他、バスだと30ユーロくらいで気軽に隣国に日帰りで行くことができます。ドイツ、イタリア、オーストリア、フランス、スペイン、チェコ等を旅しました。
どのようにして友人ができましたか?
到着してすぐに新入生はみな、学校主催のピラトゥス山登りのリクリエーションに参加したので、そこで一気に顔見知りになれました。それがきっかけとなり、同じ授業を受けたり、日頃のレストランでの食事の席で話したりしていくうちにどんどん友達の輪が広がっていく感じでした。
また男子の多くは毎週末フットボールをすべく集まり、スポーツを通して絆を深めているようでした。
周囲の学生にはどんな人がいましたか?
高校を卒業したばかりのteenagerが多く、国籍はアジアが多め(中国、韓国、ベトナム、タイ、マレーシア)、ロシア、ウクライナも多数といった感じでした。毎ターム、インターンへ去っていく子との別れと、新入生やインターンを終えて戻ってくる子たちとの出会いに溢れ、常に約60ヵ国からの多様な学生と触れ合えることは新鮮でした。またお互いに英語が母国語ではないのであまり引け目を感じることがない点もよかったです。日本人は常に3人前後と少数派で、ありがたいことにアニメ文化のおかげでみな親日でした。(笑)
大学の授業では英語、現地の生活圏ではドイツ語が使われていると思いますが、現地での言語事情を教えてください。
こちらはSwiss Germanといってドイツ人でもたまに聞き取れない独特の言語圏です。学校でドイツ語の中級、上級のクラスに進むまでは買い物や交通機関等で少し戸惑うこともあるかと思いますが、よっぽど生きては行けます。
スイスという国や、ルツェルンという都市について感じたことを教えてください。
ルツェルンは、スイスと聞いてみなさんがアルプスの少女ハイジで思い描くようなイメージよりかはもっと都会で、移動や買い物をするにも便利なところです。それでも市内にはルツェルン湖の湖畔の美しい街並みや有名なカぺル橋等の観光名所があり、少し街を出ればピラトゥス山・リギ山の大自然が広がっている大変贅沢な場所だと感じます。駅周辺は毎日観光客でにぎわっており、みなさん基本的に親切です。物価が高い&お店が早く閉まってしまう(日曜日は基本的にどこもやっていない)のが玉に瑕ですが・・・
【大学での勉強について】
留学先の大学では何を専攻していますか(しましたか)?
ホスピタリティマネージメント2年制上級ディプロマプログラム
今までの授業で一番大変だった内容・科目は何ですか?
一番初めのタームのevent managementのクラスで、最終プレゼンテーションのグループが分裂してしまい、結局一人で30分のプレゼンテーションを準備、発表したのは大変でした。グループ内の衝突やもめ事は日常茶飯事と聞いていましたが、いざチームメイトがミーティングに集まらなかったり、全く違う興味・方向性を望んでいる時の対応はなかなかしんどかったです。(笑)しかも英語を話すことにもまだそれほど慣れておらず、あがり症の私は完全に自信を喪失して、本気で投げ出そうかと思いました。(笑)しかしどうしても思い入れのある内容だったことと友人の支えから踏ん張り、英語はボロボロでしたがなんとかやりきりました。その結果、伝えたいという気持ちは届いたのか、クラス中から大きな拍手をもらえ、小さな成功体験の一つとして収めることができました。この経験から、多少の荒波でくじけないこと、時に人に相談したり助けを借りることの大切さを身に染みて学びました。
お気に入りの授業は何でしたか?
ワインテイスティングの授業はやはりこちらでしか体験できないものかと思います。それまでは殆ど飲んだこともなかったワインの奥深さを知り、またそのクラスの先生のワインに対する愛情がものすごく伝わってきたので一気に虜になりました。(笑)
あと面白いと感じたのは毎ターム自己啓発的な授業があったことです。流石、people industryといわれるだけあって、己を知る、相手との付き合い方を知るところから始まるのだなあと新鮮でした。日本でも有名な「7つの習慣」の内容に沿った自己研究の授業や、リーダーシップやトレーニングのあり方を考えるクラスなど「ホテルマネジメント」という学びの分野の広さを実感しました。
どんな教授がいましたか?
ビジネスマナーを学ぶクラスの教授はとても献身的な方で、私がインターンシップの初めてのjob interviewに戸惑っていた際に、個別でSkypeでの模擬面接をしてくださいました。そのおかげで当日は自信をもって挑むことができ採用されたので非常に感謝しています。
また、中には生徒の校則違反や怠惰な態度に対して厳しく喝を入れる先生もみえましたが、対個人で話している分にはとてもやさしい方々なので、愛の鞭とありがたく頂戴していました。(笑)
日本人の旦那さんを持つ日本語の話せるサービスの先生もレストランにほぼ毎日いて、フレンドリーに日本語で話しかけてきてくださいました。
一日どのくらいの勉強時間を取っていますか(授業時間、自習の時間それぞれで)?主にどこで勉強していますか?
授業時間は1コマ5時間(1時間おきに休憩あり)で午前か午後のクラスに分かれています。自習は毎日授業の始まる前後に予習復習と土日はガッツリ図書館に引きこもって一日ガリ勉をしていることが多かったですね。ターム中はいつも図書館にいたので"Library girl"と呼ばれていました。(笑)
日本の教育と違う点は何だと感じましたか?
枠組みとして感じた違いは、授業時間が日本の大学では1コマ90分の12~13週で1学期分であったのに対し、BHMSでは1コマ5時間×5週で1タームという短期集中型である点です。また基本的に週4コマで1週間に3日もお休みがあるので、どちらかといえば自学自習スタイルだと思います。授業の仕方も日本では教師からの一方通行の授業スタイルが多いのに対し、こちらはグループワークが必須で、毎日ディスカッションがあったり授業中の発言が評価される環境です。慣れない日本人には少し大変かと思います。私もまだまだできませんが恥を捨てて声をあげることがこちらでは必要不可欠です。
スイスでの授業についていけるかどうか心配される日本の学生は多いです。アドバイスがあれば教えてください。
先生方の英語はクリアで生徒に合わせて下さるのでそこまでの心配は必要ないかと思います。しかし生徒同士でのディスカッションにおいては各国の訛りが強い時があるので最初のうちは大変かもしれません。しかし次第に耳が慣れてくるとある程度パターンがわかってきます。それまでは途中であやふやにするのではなくわかるまで何度も聞き返した方が良いと思います。(逆も然りでこちらの言っていることが伝わらない時もめげないこと!笑)
【インターンシップについて】
BHMSではインターンシップが必修になっています。どのようにインターンシップ先が決まりましたか?
インターンシップを行う1ターム前くらいに学校側にCVという履歴書のようなものを提出しました。私の場合は運よくかなり早い段階でホテル側から直接連絡があり、1度の対人面接で決まりました。(日本のMarriott Hotelでアルバイトをしていたため)
インターンシップ先はどのようなホテルでしたか?(可能であればホテル名も教えてください)
チューリッヒ中央駅から徒歩10分のZurich Marriott Hotelでインターンシップをさせていただきました。主にビジネスマンや、観光目的の海外からのお客様が多くいらっしゃいました。従業員を大切にし、互いの個性を尊重し合う社風の中、毎日のびのびとお仕事をさせていただいていました。特に私の勤めていた部門はチームワークがよく、マネージャーも含めて毎日みなとのハグからお仕事が始まる、素敵な家族のような同僚に恵まれました。
インターンシップ先ではどのような職務を実施しましたか?
私はBanquet traineeとして主に宴会のサービスのお仕事をしていました。会議や様々な催し物、結婚式等の会場設営から当日のcoffee break, lunch, cocktail, dinnerのサービス、片づけがメインのお仕事です。はじめのうちは先輩につき、慣れてくると一人で複数のイベントも任されるようになります。また後輩やアルバイトの方々への教育係の役割も果たします。
インターンシップ先での労働時間やシフトはどうでしたか?
Banquetはホテルの中でも非常に特殊な勤務形態だと思います。私たちのシフトは全てイベントの量や内容に左右されるので、1週間おきに更新され、毎日異なる出勤時間、労働時間という不規則な環境です。例えば10~12月は繁忙期だったので一日12時間を超える労働時間やお休みが週1ということも珍しくはありませんでした。大抵結婚式がある日は13時~15時に出勤し、翌朝の6~7時に帰宅していました。その代わり年明けからの閑散期は1ヶ月丸々お休みを頂けたり、出勤が週1~2日しかなかったりと状況が逆転したので、驚きが隠せませんでした。(笑)
インターンシップ期間中の滞在先や食事など、生活面はどうでしたか?
ホテルの目の前にスタッフハウスがあり、家賃は月に500~600CHFです。チューリッヒで働く友人でホテル側から滞在先を支給してもらえた子は他に知らず、ここで自力で住む場所を見つけることは非常に困難+だいたい通常800CHF以上はかかるのでとてもラッキーだったと思います。部屋にキッチンはありませんが、食事は月160CHFお給料からの天引きでホテルの社員食堂を利用できます。
BHMSのインターンシップは有給ですが、収入はどの程度でしたか?
収入は月に手取りで1200CHF前後とクリスマスにボーナスがありました。ただ、Banquetは普段のチップがないので、レストランやバーでのサービスをしている子の方がたとえ固定給は少なくても、トータルでは上回っているような気がします。
インターンシップ中に苦労したことがあれば教えてください。
一番はやはりドイツ語の壁。学校で基本的な接客関連のフレーズは学ぶにしても、同僚間のコミュニケーションやお客様へのより良いサービスの為には、自身で向上心をもって学習を続けることは欠かせませんでした。有休を使ってドイツのGoethe-Institutというドイツ語学校へ通ったり、オンラインコースをとったりといろいろ試しましたが、やはり話せるようになるには時間がかかることを痛感しました。
ちなみに私の周りには、両親の国籍が異なるバイリンガルが多く、それに加え英語が話せるのは当たり前なので、彼らにとっては元々3カ国語を話せることが前提の世界。この道でプロを目指すのであれば5カ国語は必要というのはよく聞く話ですが、改めて世界で戦うことの厳しさを肌身で感じました。
たかがツール、されどツール。言語は大切でそれが不十分なことで悔しい想いもたくさんしましたが、逆にそれでも人を感動させられる、人に認めてもらえるチャンスはたくさんあるのではないかと思いました。ゲスト、同僚に関わらず、よく観察すること。記憶すること。そしてその人が望むものを言われる前に差し出すこと。想像力をフル稼働させて、今自分にできる最大限は何かを問い続けること。対応の仕方の可能性は無限大というホスピタリティの真髄に触れた気もしました。
インターンシップをして良かったことは何ですか?
多国籍な同僚の働き方の違いは見ていて面白かったです。また国籍に関わらずその人個人としてのあり方を見ることで勉強になることも多くありました。同僚とひとくくりにしてもバックグラウンドは様々で、18歳のインターン生から、マネジメントトレーニングプログラムの一環として働いている人、全く違う分野で社会人経験を経て今はここで働いている人、なんと一国のロイヤルファミリーの一員までいました。(笑)その人その人から学ぶことがあり、特に異国の職場におけるアピールの仕方、リーダーシップのはかり方は勉強になりました。例えば、自分のした良い仕事を逐一マネージャーに報告する彼らの姿勢に対して、初めはガツガツしすぎだろうと少しひいてしまいましたが、これもホウレンソウの一部。それがその人の印象や信頼に繋がるものなのだと悟りました。事実、奥ゆかしくて得をすることはあまりありませんでした。(笑)
あと、人に恵まれたなあとつくづく感じるのですが、心から尊敬できるマネージャーの働き方から自分も教わる、真似をできる環境にいられたことは幸せだったと思います。
これは余談ですが、ちょうどパリ同時多発テロがあった際に、みなで食堂でランチを食べていました。たまたまパリに行く予定だった、行ってきたばかりだったという同僚が多く、それぞれ興奮気味に想いを語り合っていました。被害者・加害者側の文化に精通した同僚もおり、みな異文化理解があるため決して偏見や差別はすることなく、各立ち位置からの見解を述べあっていました。何気ない日常の一コマでしたが、これもグローバルな環境ならではの光景かと改めて感じた瞬間でした。
これからスイス・ホテル留学する方に向けて、インターンシップについてアドバイスがあれば教えてください。
どこにいても日本人らしさは武器になると私は思います。幸い周囲からの日本人に対するイメージはよく、いつもpolite, organized, punctualなどと形容されました。無意識に行っていたお辞儀や手を添えるしぐさなどから、お客様に「あなた日本人でしょう」とあてられることも多々あったので驚きました。真面目さ、誠実さは一緒に仕事をする上で、人間関係構築のための要である信用問題においてプラスに働きかけると思います。
また、気遣いは日本文化ですが、気が利くことは万国共通の良いサービスの基本です。遠慮がちな日本人気質から抜け出して、もう少しアグレッシブなサービスを心がけることも異文化に対応するためのポイントの一つかもしれません。積極的にお客様に声をかけ、コミュニケーションをはかることで本当にその人が欲しているものを探っていくのがこちらのスタイルなのかなということを働いていて感じました。
【最後に】
海外留学を検討している方々に向けて、アドバイスをお願いします。
新たな世界で挑戦できることが海外留学の醍醐味だと思います。
以前、同僚に「You can be anyone you wanna be here!!」と励まされたことがあります。こちらでは日本のような世間体やしきたり、上下関係に厳しい文化とは異なる世界が広がっています。良い意味で好きな自分、ありのままの自分をさらけ出しやすい環境なのかもしれません。その中で日本にいる時よりも少し大胆になれたり、変わらない自分らしさに気がつくこともありました。
私も全くもって偉そうなことは言えませんが、留学は異なる文化・環境下での人との関わりを通して、自分の持っているもの・足りないものに気付くことができる素晴らしい機会だと思います。あきらめたらそこで試合終了。その前に細かいことは気にしすぎず自分の心に正直に動いてみるのもよいかもしれません。
どこで何をすることになるかは人それぞれかと思いますが、そこで得られるものは全て自分次第かと思います。本気でやれば必ず何か学べるし、応援してくれる人も自然とあらわれます。がんばってください。
BHMSスタッフから加納さんについてのコメント
加納さんは非常にモチベーションの高い学生で、限られた時間の中で吸収でき得る全てを吸収していこうという積極的な態度には見ていて感服しました。
留学生全員がそうであるように初めのうちは授業や生活に対しての不安はあるようでしたが、彼女は何事も決して諦めずチャレンジを続け、上を目指すその姿勢は周囲にも大きな影響を与えたと思いますし、それが故に行く先々で皆に愛されたのだと思います。
学校の授業だけでなく学内での国際的な友人関係、インターン先での就業経験、旅行で見聞きした事・・留学中の全てが今後の彼女の人生の大きな糧になる事を確信しています。